2014年10月27日月曜日

塗るという仕上げいろいろ

現場は間もなくの竣工を目指して追い込み状況。
この建物は現代の新築住宅のような気密性は全くなく、ですので断熱性能もほぼ期待できないくらい外と一体なのですが、それではさすがに寒かろうと、床暖房を採用しています。

化石燃料をなるべく使わないという目標がありますので、床暖房を暖めるためにはお湯を使い、そのお湯を温めるために薪ボイラーを使います。
普通はガスや電気を使って水を温めるのですが、薪(木を)を燃やして水を温めお湯にするという仕組みです。

さらに、暖められた床に蓄熱性を持たせることが床を暖め、部屋を暖めるためには効率が良いのではないかと言うことで仕上げを何とモルタルにしているのです。
タイルや石を貼っている例はありますが、モルタル仕上げというのは潔く、挑戦的でもあります。

冬のモロッコを旅していたとき、寒々しいモスクに靴を脱いで入ったら驚いたことに床が暖かく、身も心も温まったことを思い出しながら。



そしてキッチン、こちらもモルタル漆喰仕上げです。
まだ下地の状態ですがこれから仕上げられます。

キッチンの配置も壁際に追いやることなく、日当り良く、家の中心、土間の真ん中に鎮座している感じです。
 一番気持ちのよい場所で料理をしてもらいたいので。



それから壁。
いつの間にかこんな素敵な仕上げがなされ、しびれました。
もちろんこの稲はお施主さんが自ら育てられ、収穫されたばかりの秋の恵みです。



今回は腕も良く、気もやさしい左官屋さんに出会えたことでいろんな場所で塗るという仕上げをすることができ感謝です。