2015年3月25日水曜日

ジッソク!

尾道水道を臨む坂の途中にはかつて別荘や迎賓館のような使われ方をした建物がまだまだたくさん残っています。
状態はさまざまですが、これらの建物が尾道の風景をつくっていることは間違い無いのです。

さて、改修を依頼され本日実測に伺った家もそんな家のひとつ。
2Fの一番立派な造りをした和室はそこに佇んでいると今でも当時の名残りが感じられるほど、職人さんの跡がそこかしこに見えるのです。



その和室の南側には狭いながらも日当たりの良い縁側があり、そこからは尾道水道のパノラマを楽しんだことでしょう。
残念ながら今は駅前のマンション群に立ちはだかれ、海はわずかしか見ることができないのですが。

窓を開け、「こんな風景に誰がした〜」と叫びました。



この家も築100年近いですから傾きも歪みも雨漏りもシロアリも・・・。
しかしそんなことではもう驚かなくなりました。

ドンと来い、キラッと光らせてやろうではないかという意気込みで。

2015年3月16日月曜日

因島の家も着々と

最近、街を見ると解体される家が増えているように感じます。
今にも倒れそうだけれど昔から街に馴染んでいたお店や住宅、その見慣れた風景が崩され、空き地が増えるのでしょう。

「空き家対策特別措置法」の施行を前に持ち主の方が先手を打ってるのか?

空き家だらけのこの街、あの街はどう変化していくのでしょうか。

さて、壊されることなく改修工事の進む因島の家、水平垂直の調整に大工さんは予想以上の苦労をされているようですが進んでいます。

2Fは天井を取り払い、一部ロフトにしています。
ぼくは天井というものがあまり好きではないらしい、使われていない空間に風を通したい、ということに気がつきます。



1Fはこれから壁がつくられ部屋に仕切られようとしているところ。
この柱を見せてどーんと広々した使い方も好きなのですが、収納も必要ですし、隠したいものもあるでしょうし、住みこなすのは難しいかな。

「31」とは大工さんの暗号でしょうか?


2015年3月11日水曜日

はちみつハウス着々と、その2

向島のはちみつハウスの工事も順調に進んでいます。
2月中になんとか2Fの床を貼り終え、1Fの壁には白い漆喰を塗りました。

床材に選んだのはこの辺り(四国も含む)で育った杉の無垢板。
既存の床がそもそも水平ではないので、それを気にすることなく貼れるようフローリングのような実(さね)をつくらず、板をそのまま敷き詰めるように貼ることにしました。
少しの隙間ぐらいは気にせず、生地のまま塗装もせず、独特の迫力ある雰囲気に仕上がってきました。



壁はかつて改修された時になんとも表現に困るような緑色の化学的漆喰が上塗りされていましたので、今回はさらにその上からドイツの白い漆喰を塗って明るくすることにしました。
何しろ塗る面積が広いですから週末3回に分けて大人や子供を集めて手伝ってもらい、せっせせっせと塗りまくりました。
子供たちは裏山でキジを見つけて大興奮したり、山道を散歩して自然と化したみかんやレモンを食べてと大喜びしたりと。



しかししかし、問題もありまして・・・。
玄関を入ってすぐの柱、改修された時に新建材でふさがれておりあやしなあと見て見ぬ振りをしていたところなのですが、そこをはぐってみたところやはり思った通り、シロアリに食べられスカスカ状態。
しかもしかも、現役でシロアリがうごめいているではありませんか。

この柱は2Fを支えている重要な柱なので補強をしなければいけないのですが、その他のからみが難しく頭を悩ませています。



古い家に住まれている方で、水回りなどを改修したときに柱や梁を湿気を通さないような新しい材料でふさいでしまっている方、どうぞご注意をしてください。