2014年7月17日木曜日

改修がひとつ完成


トイレの改修に続き、お風呂回りの改修を行っていた住宅がひとつ完成しました。
洗面室の壁の仕上げは薄いグレーの漆喰を塗り、明るくかつ湿気も調整できる仕上げにしました。
扉は長年の汚れが染み付いた既存のものを洗い、オイルを塗り直して甦らせました。
当初は新しい扉に付け替える計画でしたが、捨てなくて良かったと実感。
長年連れ添った夫婦のようなもので30数年の歴史は偉大です。



勝手口から通じる通路部分の天井と壁、欄間との取り合い部分。
欄間には明かりとりのためガラスを、壁には杉の羽目板を貼りフックでもたくさん取付けて合羽を掛けたり、月桂樹やヨモギを乾燥させたり、タマネギをぶら下げたりしてもらいたいとの思いです。



その通路部分の床(真ん中)と壁(奥)、既存の台所の床(手前)の取り合い部分。
床は汚れた足でも気にせずガシガシ歩いてもらえるように杉のフローリングに柿渋を塗っています。























これから使われていくうちにこの木がどのように変化していくのか楽しみです。

2014年7月12日土曜日

祝着工_その1

茅葺きの屋根を持つ家の改修工事がついに着工です。
台風8号が南を進んだのでこちらはほとんど影響なく、通り過ぎた後には気持ちのよい風が吹く、そんな日にめでたく着工。
うれしいもんです。

ところが工事をはじめるとそんなに喜んでばかりもいられず、シロアリ問題があっちもこっちも。
柱の外観は大丈夫に見えても叩いてみると中が空っぽの音。
すっからかんに食べられてしまっている柱が1、2、3、・・・。

下の写真の部分は2階の柱を梁だけで受けてしまっているので、構造的にはかなり心配です。
梁の太さもないのでその下には柱の補強が必要です。





















そんなことをひとつひとつ、今回も工事を任せる中島建設の方と大工さんとぼくとで相談して解決方法を考えていきます。
現場の醍醐味、これが面白いのです。
新築ではできない、改修ならではの苦労なのですがそこが腕の見せ所、頭のひねり所。

この住宅ではいくつか実験的とも言えるような試みを計画中なのでそれも楽しみです。

下の写真の木材にはベンガラが塗られています。
岡山の吹屋というベンガラの里も近いのでそこからのベンガラなのだろうか、などと妄想をしながら。



2014年7月2日水曜日

男らしく豪快なテーブルのつづき2

「板が継がれましたよ」との連絡あり、早速チェックに行ってきました。
「おぉ〜」と声が出るほどの存在感、まさに男らしく豪快。
むしろきれいすぎると言っても良いくらいの繊細な仕上がり。

一度研磨してもらい自然塗料のAUROを塗り込んでみました。
木目がさらに浮き立ち主張をはじめます。

はるばる遠く、外国から輸入されたような木材ではなくても、地元で切られ、自然に乾燥させた木材でもかっちょいいテーブルができるのです。
それはここでしかつくれないテーブルなのです。

地元でとれた木を使い、地元で加工、製作までしてもらうこと、これが今回のこの家具の物語であり、目標でもあります。

さて、テーブルに続きこれまた大きな本棚もつくりはじめます。
府中家具をつくってこられた職人さんの技が楽しみです。