2014年10月13日月曜日

竹と土の壁

かつて日本では家の壁をつくるのにまずは竹を割いてメッシュ状に編んだ竹木舞(たけこまい)というものをつくりそれを柱と柱の間に組み立て、そこに土を練って団子状にしたものを詰め込んで隙間をふさぎ、その上にもう一度土だったり漆喰だったりを塗ったり、板だったりを貼ったりして仕上げていったものです。

ほんの100年前、いや50年ほど前まではそれが当たり前で、だから職人さんもたくさいました。

僕の住む築40年の家も外壁部分の下地は全て土です。

しかし今ではそのつくり方はむしろ高級な構法で、ぼくも今までそんな家を設計する機会はありませんでした。

今改修中のこの古民家は一部土壁が崩れてしまっていたのでその部分を補修してもらっています。
そしてこの竹木舞の美しさにやられました。
隠してしまうのがもったいないくらいの美しさ。
長い外国旅行から帰ってきて、久しぶりに味噌汁を飲んだときのような心の奥へ染みる感覚。

これが正しいつくり方なのではないだろうか。

竹も土も近くで手に入る材料、燃えてしまったとしても害はなく、朽ち果てたとしてもいずれ土に還ります。



そして五右衛門風呂のその後です。
レンガはさらに積まれ風呂釜の回りを固めていきます。